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座長BLOG

【無=魂の名の由来】

1996年に旗揚げした無=魂は実はいっとき別の名前であった。

 

当時の名称は今思うとかなり笑えるが、

「劇団ここでもやっています」であった。

もはやこの当時の名称を知ってるお客様は相当レアである。

 

さて、もとい何故こんな名称になったかと言えば、

当時のチケットガイドがあいうえお順掲載だと言うことで、

ここ←から名前が始まればガイドブック掲載順が上部となり、

もしやお客様の目にとまる可能性が高いのではないか?と言う

恥ずかしながら酷く安易な、しかしながら若かった青二才の我々にとっては、

それなりに大真面目な理由からであった。

 

旗揚げ公演の『GET OVER IT』が閉幕した後、

右も左もわからなかった自分は芝居の世界に魅了されていった訳だが、

その後に多くのお客様のお力添えに支えられて、

劇団代表作の一つとなった『桜-SAKURA-』シリーズ4部作を書き始めるにあたり、

まず違和感を感じたのが紛れもなくこの劇団名であった。

 

つまりは下記に記すこのような経緯であった。

 

初めに、何もない無の空間がただポツンとあって、

脚本、演出と言う土台が組まれるところから芝居はスタートする。

そこに、大道具や小道具などの舞台設営がなされ、

情景を彩る美しい照明技術や、場を盛り上げるあらゆる音楽が流れる。

更にシーン効果を後押しする衣装や美粧が加わり、

役者が各々の創り上げてきたキャラクターを持ち込む。

 

しかし、芝居はそれだけでは成立しない。

 

最後のキャストは紛れもなくお客様である。

劇場の最後のキャストであるお客様をお迎えした瞬間に、

それまで紙の上に描かれているに過ぎなかった『無』の空間には、

とてつもない力をもった『魂』が宿るのである。

 

舞台はお客様を含む総合芸術であり、

『無』は支えて下さる多くのスタッフやお客様によって、すなわち『魂』を持つ。

 

安易に命名されていた劇団名は直ぐさま改称の運びとなり、

代わりに『無=魂』の名はごく自然に、しかし必然として誕生したわけであった。

 

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